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「岡田以蔵」・3

 投稿者:いつみ  投稿日:2004年 6月 6日(日)15時23分2秒
   でも、だから余計に、最後に発する心からの「‥参り申した」が「あぁ、彦斉先生って、本当にちゃんと“先生”になっていったんだね」って思える――そこに『人間的成長』の感じられる、「人格者に『なっていく』彦斉先生」。そんな人物像に感じられた。これは個々の解釈によって好みが分かれると思うけど、いつみは今回の彦斉先生が大好きっ!(いつみが「酒井さんファン」だからに否ズ/爆)クライマックス直前のシーンでも「山犬なればこのまま野に放ち、縛吏の手の~~」って言う武市に対して「‥‥‥その山犬に~~」って、比較的余裕のある『大人の意見』を言っていた城さんVerに比べると、酒井さんのは武市の言葉の後すぐ、畳み掛けるような感じで「山犬に~~」って続けていて。この『‥‥‥その』がない分、よりその物事に対して一生懸命(ってのも違うんだよなー)さが感じられる‥‥より“人間味”のある「川上彦斉」だったと思う。

 とっさのアドリブがうまいなー、って感じたのは、酒井さんと乙矢くん。酒井さんは真剣勝負のシーンで一度刀が鞘にすんなり収まらずに‥‥だけど、「負けてイラついた表情」のまま一旦刀を戻し、暫く経ってから改めて刀を鞘に収めて。――これ、たとえば「あぁ、あの方が負けて動揺してる心情が出せるかなって思ったんですよ」って言われたら素直に納得できる位「そのシーン」に似合っていたのだ。‥もっとも、その時1回きりだったことを考えると。やっぱりあれは「彦斉先生の間違い」じゃなく、「酒井さんのミス」らしいけど(笑)。乙矢くんの方は完全に計算できないアクシデント!菊松と揉み合ってる時に櫛や簪が落ちてしまった回があって。「返すのかなー、それとも懐にいれちゃうのかなー」って思いながら観ていたいつみの予想を遙かに上回る見事さで、ちゃんと菊松の手に戻したのだ。簪の時は藤原さんまで巻き込んでいるのに、それでも‥‥ううん、通常パターンよりもっとずっとそれぞれの言葉が深く感じられる返し方で(これも酒井さんのもビデオ収録日の出来事でした。ふっふっふ、嬉しいっっ☆)「予定外の出来事が起きた時に“その人物”に相応しい行動が取れる」ってのは、その人物をきちんと自分の物にしていなければ出てこないと思うんだよね。いやはや、お見事でした。

 少なくとも。この「2004年版岡田以蔵」は、今回の出演者の演じた役が、きちんと「その人の持ち役」、だった。確かに城さんの抜けた穴は大きかったのかもしれない。けれど、「その時空いた穴」は誰にも――たとえ城さん本人でさえ、後からでは埋められないものだと思う。ましてや他の人なら尚の事。形も質感も何もかも、その人とは違うものを持っている人がその穴をきれいに埋めようなんて、‥‥なかった事にするなんて、できる筈がない。何千ピースあるジグソーパズルだって、1枚の絵を完成させる為に「そこ」にぴったり入るのは、その中のたった1つだけ、なのだから。
でも。――だけど、だから。今回、初演とは違う役を演じた事によって「平地に新たな物体ができた」と、いつみはそんな風に思っている。だから、・・・だから・――『代役』なんかじゃ、絶対ないんだからっ。

 エピローグの桜吹雪と霧雨、奥の桜の樹は圧巻!!これは「劇小」じゃできなかったよね。この劇場になったからこそ可能になった、大効果でした。

『散っていく桜と、散っていった命と。消える事のない、人の、想いと。
    それら全てを見つめながら、――いつまでも、佇み続ける桜の樹‥‥‥』

そんなイメージのラストが、本当に大好きだった。

初演は冬。今回は春。会場外の西口公演では舞台さながらに、風に吹かれた桜の花がはらはらと舞っていた。たった一週間ずれただけで葉桜になってしまうような、本当に儚い、あっという間の短い夢。――でも、そこで感じたたくさんの想いは、ずっと消える事のない、いつまでも心に残る‥‥大事で大切な、一瞬の、――夢。

追記・今回の舞台で「人間って成長(忘却)していける生き物だったんだー」と実感したいつみ。あんなに引き摺り続けていたのに、‥‥人間って、すごいね。
本当に、め組と、――そして、酒井さんに。心からの大感謝を。





 
 

「岡田以蔵」・2

 投稿者:いつみ  投稿日:2004年 6月 6日(日)15時19分10秒
   以蔵で毎回大好きだったのは、冒頭の牢獄シーン!!「‥この雨が、土佐の桜を散らせるんじゃ‥‥っ!!」っつって、全てを告白すべく中央に駆け寄った、その後の『間』と『仕草』。ここで以蔵は「土下座した姿勢のまま、両手を組み合せ」たのだ。
‥‥確かに、以蔵が今から行おうとしている事は、武市からすれば本意ではない。一般的には「師を密告」する事になってしまうのだし。けれど、「自分と先生が一緒にいられる」ためには、自分にはもう他に術はない。これでもう先生と引き離されないで済むのなら――。その「間」で、そんな想いが逡巡しているようだった。決意を固めているようにも、祈っているようにも、‥‥許しを乞うているようにも見えるその仕草が、より以蔵の心情を感じさせてくれていたと思う。

 今回の増員メンバーの中で、いつみが大好きだったのは「熱血弓場VSクールビューティ古賀」っ!!(笑)←いや、マジで、竹下さんと田中さんの個性にうまく合ってたし。薩長の人間としては元々池田と手嶋が登場していたけれど、この2人は「薩長」というより「同志」としての印象の方が強かったでしょ?だけど、この2人よりもう少し下の年代の若者が、両藩の関係がぎくしゃくし始めた頃に教育(思想)を受けたのなら。「‥‥あぁ、こういう関係になっちゃうのかもしれないなぁ」そうすんなり感じる事のできる人物像だった。‥‥ただ。あまりにも本人の個性とキャラクターが似合い過ぎていて/爆。天邪鬼いつみとしては「んー。どうせだったらこの2人の配役を取り替えたVerってのも観てみたい‥‥」なんて思ってしまったのだけれど。本公演ではできなくても、YGスタジオ使って「シーン発表」みたいな感じでやってくれれば嬉しいのに、な。

 上記記述で名前を挙げた「池田」と「手嶋」。この2人は(‥‥あぁぁぁぁ、前回演じた酒井さん菊川さんごめんっ、口が悪くてホントにごめんっっ)初演とは比べ物にならない程めっっちゃめちゃ良かったですっ!!今回菊川さんが池田を演じていたんだけど。心情語るシーンが増えていた訳じゃないのに、ちょっとした表情や受け答えのリアクションや。そういったものの積み重ねで「池田」という人物をはっきり浮かび上がらせていて(‥‥超・個人的に言っちゃえば。いつみは酒井さんの演じる「池田」で、この位深い印象を抱いてみたかったんだよぉっ)。人数が増えた事でより印象深くなったのが、池田の最終シーン。初演と違って、最初に「今土佐に戻るのは危険だ」って発したきり何も言わない池田。‥‥何も、言えなかったのだろう。今、皆が口にしているこの切羽詰った現状は、いくら自分は関わっていなかったとは言え、間違いなく自分の藩が加担した事によって引き起こされたのだから。皆の会話を聞きながら、何も言えずに俯いたままで。それまでずっと「冷静であり続けよう」としていた武市が自分の感情を抑えきれずに池田にぶつけた「‥薩摩が‥‥っっ!」の言葉にぴくっっと目線上げる仕草が大好きだった。さすがは菊川さん、巧かったです。大拍手っっ♪ 今井さんの演じた「手嶋」も、初演はもっと「やる気はあるけど若手くん」って印象だったのが「藩の中でもそれなりのポストにいる人物」に思えて。この方が「諸国を回っている」事に対しての長州藩内での重要性が感じられるでしょ?今井さんは今回本当だったら出演する予定じゃなくて、「新撰組」以来の舞台出演だったけど。今井さんが板の上にいてくれると、‥‥なんて言ったらいいんだろう。『舞台に質感が出る』っていうか、『陰影が感じられる』っていうか。初日の舞台、あまりの衝撃で「ここまで舞台に集中できないのなら、いっそ暗転中に席立った方かいいのかも‥」って本気で思ってたいつみをその場に押し留めてくれたのは今井さんの「池田くんーっっ!」って一言だったから。無礼を働かずに済んだのは、今井さんのお陰です。本当にありがとう。・・・だから、お願いだからこれからも舞台に立ってね?/切実。

 そんないつみの初日の衝撃の中心人物だった彦斉先生。これは。‥‥だって、完全に初演時とは別人格だったじゃん?城さんVerは『最初から人格者』な、先生と呼ばれるのに相応しい人物像。真剣で負けたのが信じられなくて呆然としながらも、周囲に気を配る余裕のある(たとえ自嘲めいた笑いになってしまったにしても)、そんな人。対して、酒井さんVerは。“真剣で負けた事がない”ってのが自分の誇りとプライドで、だから木剣で負けても、それは自分の中では“負け”ではないから余裕カマして笑っていられたけど。でも自分が初めて真剣で負けた事が口惜しくて、信じられなくて。その事で頭が一杯で、自分のそんな顔を見られまい、とするのが精一杯。周囲に気を配る余裕なんか全然なくなってしまっていて。

 

「岡田以蔵」

 投稿者:いつみ  投稿日:2004年 6月 6日(日)15時15分48秒
  《公演データ》
'04.03.31~04.04 東京芸術劇場小ホール1      (観劇回数9回 ★★★★★★)

 この舞台は初演が'01の冬で、今回は約2年振りの再演となる。再演を希望していた大好きな作品だったし、実際今回も大好きだったけど、それでも星の数を減らした(減ったのよ、これでもっ)のは、『主要出演者の休演を事前告知しなかった』から。
「再演」で「脚本にほとんど手が加えられない作品」で「初演メンバーが全員出演」なら、まさか配役に変更があるなんて思わない、でしょ?当日会場に出向くまで知らせない、なんてあまりに不親切。ましてや他媒体にも名前を挙げている役者なら尚の事。劇団運営のHP位にはその旨告知すべきだし、一般に流すのが不都合なら、せめてFCのメルマガだけにでも告知してほしかった。。誰が出ていても出ていなくても、それと「観劇」とは別物だ。それとも、うちらファンはそんなに信用されてない、のか??

‥‥といういつみなりの意見は初日のアンケートにばりばり書いて、翌日からは気持ち切り替えての観劇体勢に。そんな訳で数人の配役変更と若干の増員で幕が開いた今回の舞台は。
再演である以上初演と比べてしまうのは仕方ないよね。あの「濃密な空気感」はどうしても「劇小」での初演に軍配を上げてしまう。今回の舞台では『空間』を感じてしまうシーンがあったし、個人的には「通路中央から出てくる武市」より「右横通路から」の方が武市らしく感じられて(いや、劇小ではそこ以外は無理だったんだけど)。
 でも。「各キャラクターの捉え方」は絶対今回の舞台の方が好きっっ♪初演と同じ役柄だった人は、より細かい表情になっていたと思う。『武市の手紙を読む』時の菊松が、初演では『ただ手に取ってしまって』いたのが、今回は一瞬躊躇して襖の向こうを気にしながら、それでも読みたい誘惑が勝ってしまって。『ちょっとだけやし‥』という、いたずらっ子のような笑みがとても印象的だった。高田又四郎が武市から「詫びてやってほしい」って言われた時も、初演時とは違ってバツの悪そうな表情をして。『それが“上士”としては当然でも“人間”として考えた場合にどれだけひどい事だったか』‥‥それがちゃんと解っている高田だったと思う。
初演と同じく今回の坂本龍馬も、この作品では「関係者」であっても「当事者」ではない。直接自分の中の苦しみを語るシーンがない分、より『見守る人物』としての立場に感じられた。真剣勝負の後の「土佐に去ぬるぜよ」の言葉の優しさや、勝の用心棒になるよう以蔵に薦めた時の「今のお前は犬以下ではないのか‥っ?!」って厳しさや。毎回必ずではなかったけど、『以蔵を促して部屋から出て行く』時に、以蔵の背中をぽんぽんっと叩く仕草が本当に大好きで‥‥このシーンは毎回だだ泣きだった。
確かに以蔵の言う「この世に武市先生は1人きり」・・・以蔵にとって“先生”は――“自分が本当に心から慕う相手”はたった1人で。他の誰も、この世に替われる人なんていなかったんだろう。――それは、そうなのかもしれない。否、以蔵にとってはそうだったのだ。だけど。‥‥だけど、でも。龍馬だってこんなに以蔵の事心配していたのに。以蔵の事を何とかしてあげたいと、本気で思っていたのに。その気持ちに‥‥嘘は、なかったのに。
もしも勝の――龍馬の所から以蔵が飛び出したりせず、居続けていたのなら。そしたら、あんな結末にはならずに済んだのだろうか。
――それでも、きっと。以蔵にとって「この世に武市先生は1人だけ」、だったのだろうけど。

 今回の以蔵は、初演時程「大きく性格が変わった演技」はしていなかった。「狂犬」っていうよりは「犬」っぷりのよく出た(笑)、自分の身分や立場にすごくコンプレックスを抱えている以蔵。「お子」っぷりは今回の方が強く感じられたかな。理屈もなんもなく、ただただひたすら先生を慕う――まるで、ちっちゃい子が、無条件で母親を慕うかのような一途さで。今回、1回だけクライマックスで武市から刀を向けられて、自分の刀から手ぇ放して泣きじゃくってた回があった。‥‥たぶん、「人斬り以蔵」なら、どんな状況でも刀から手を放す事はしないのだろう。相手が刃を手にしている限り、その本能で自分も刀を向け続ける筈。だけど、――以蔵にとって武市の存在は、そんな人斬りとしての本能より、もっとずっと大事で大切な存在だったのだろう。震える手で刀を持ち、向かってくる武市と切り結んだ後、その刀を抱きしめるようにして首を振る以蔵が、観ていてせつなかった。「『誰よりも大好きな人』が自分にくれた刀を、『その、誰よりも大好きな人』に向けねばならない」そのせつなさが、観ていて強く感じられて。・・・『進んでいく運命は誰にも止められない』――それが判っているから、よりせつない、な。




       
 

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