今年の収穫書籍・雑誌より一部を御報告。(刊行日順)
『勢陽風雅』雪巌道人編 (伊勢地方の漢詩アンソロジー)宝暦8年 土地の名に『〇〇風雅』と名を付ける地方詞華集の濫觴でしょうか。
『勢海珠璣』家里松嶹編(同上趣旨の後継アンソロジー)嘉永6年 扉の「無能有味?(齋)」なる庵号に編者の性格が偲ばれます。
銭田立斎(金沢)
『立斎遺稿』上巻 天保12年 金沢の富商詩人。大窪詩仏を歓待する詩が数篇あり『北遊詩草』にも彼に謝する五律を載す。
仲冬旬四日邀詩佛先生于艸堂
人事すべて縁の有らざるなし。尋常相遇ふ亦た天に関す。何ぞ図らん詩伯の千里を侵し、来りて吾曹と一筵を共にせんとは。
聊か素心を竭くして野蔌を供し、更に新醸を斟みて溪鮮を煮る。斯の如き良會の得難きを知る。況んや復た交遊の暮年に在るをや。
上田聴秋『月瀬紀行』乾坤2冊 明治21年 昨年知った郷土ゆかりの文人
服部つや遺稿詩集
『天の乳』昭和4年 岐阜県詩集で未収集だった本。今後おそらく現れないかも。
稲森宗太郎遺稿歌集
『水枕』昭和5年 大切ないただきもの。
『小熊秀雄詩集』昭和10年 伏字に附箋を張って書込み補充しました。
龍木煌詩集『門』昭和10年 限定150部 椎の木社版の詩集。買へる場面に遭ったら迷はず買ひたい。
大木惇夫『冬刻詩集』昭和13年
伝記を読んで親炙するやうになった詩人の限定100部限定豪華装釘本。
北園克衛詩集『火の菫』昭和14年 限定200部 ほしくても手が出なかった永年の探索本。函欠なれど意匠は扉にも採用されてゐて満足。
圓子哲雄主宰詩誌
『朔』92冊 昭和47年~ 圓子さんの辱知を得る以前のバックナンバーを一括寄贈頂きました。
揖斐高編訳
『江戸漢詩選』上下巻 令和3年 斯界第一人者の先生よりゆくりなくも御恵投に与り感激。
冨岡一成
『江戸移住のすすめ』令和3年 盟友の新刊。病臥の間に現在も新著を執筆中の由、再起を祈りをります。