|
最近の買物は『山陽詩鈔』の(おそらく)割と初めの頃の版本。この天下のベストセラーは明治に至るまで何度も版を重ねてゐて、見返しや奥付に「天保四年新鐫」と刷ってあっても信用できません。古書目録の記載書誌だけではどんなだか判断できないことが多いのです。状態が悪くても刷りのよい古いものを買はうとずっと機会を窺ってゐたのですが、このたび意を決して注文。届いた本は歴代の旧蔵者に繙かれて「くたくた」になった、河内屋徳兵衛以下6者による版本でした。赤字で補筆してある頭註は増訂版から書き写したものでせうか。嬉しいです。
追伸:
詩人山口正一関係の資料も、無事愛知県図書館へ(『太鼓』は茨城県立図書館へ)寄贈されましたので御報告いたします。旧臘手許にやってきた貴重資料、すべて収まるべき処へ収まってホッとしてをります。
|
|