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重陽

 投稿者:中嶋康博  投稿日:2018年 9月 9日(日)16時51分50秒
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  現在翻刻着手中の、大垣藩臣河井東皐(1758 宝暦8年~1843 天保14年)の写本詩集から。


 重陽上養老山

雲裡登高古佛龕
境移盧岳藹烟嵐
飛流直逐青蓮跡
泛酒兼開黄菊潭
養老況逢佳節會
交歓何厭醴泉甘
休嘲狂態頻傾帽
風是龍山自澗南
         養老山南有龍峰※4

重陽、養老山に上る。

雲裡に登高すれば 古佛の龕
境は盧岳に移る 藹烟の嵐
飛流は直ちに逐ふ 青蓮の跡※1
酒に泛べるに兼て(前もって)開く 黄菊の潭※2
養老 況や佳節の會に逢はんとは
交歓 何ぞ厭はん醴泉の甘きを
嘲けるを休めよ 狂態 頻りに帽を傾けるを※3
風は是れ龍山 澗の南よりす

安永十年(1781)九月九日の作と思はれ、23歳の作です。

※1青蓮居士(李白)の詩「望廬山瀑布」の「飛流直下三千尺」を踏まへる。
※2酒に菊花弁をうかべた陶淵明を踏まへる。
※3龍山の宴にて孟嘉が落帽した重陽の故事を踏まへる。
※4養老山南に地元僧龍峰が住んでゐた事に掛ける。



もひとり大垣藩臣の野村藤陰(1827 文政10年~1899 明治32年)の詩集から。
河井東皐からは随分後輩にあたる人ですが、こちらの宴は鉄心先輩が居ないもののメンバー豪華すぎ。
嘉永三年(1850)の作でしょうか。とすれば東皐と同じく23歳の作です。

重陽日
凉庭新宮翁、拙堂先生の為に都下名流を南禅寺順正書院に招く。先生携ふるに諸子を従行して往く。煥(藤陰)亦た陪す。
是日会する者。中嶋棕隠、梁川星巌、牧贛齋(百峰)、紅蘭女史、池内陶所、牧野天嶺、佐渡精齋諸子也。七律一章を賦して之を紀す。

不用登高望古関
且陪笑語共懽然
同時難遇文星聚
令節况逢晴景妍
烏帽白衣人雜坐
黄花緑酒客留連
龍山千古傳佳話
孰與風流今日筵

登高を用ゐず 古関を望むに
且く陪笑す 共に語りて懽然たり
同時に難ひ遇し 文星聚まる
令節 況んや晴景の妍(うつく)しきに逢はんとは
烏帽※白衣※ 人は雜坐し
黄花 緑酒 客は留連す
龍山 千古 佳話を伝へ
孰れか風流今日の筵を與にせん

※前述龍山の宴にて孟嘉が落帽した重陽の故事と
※陶淵明が白衣の人より酒を送られた故事を踏まへる。


9月9日は重陽の節句ですが、新暦だとやはり七夕と同様霖雨にたたられますね。
本日美濃地方は曇天。旧暦の9月9日、今年は新暦10月17日とのことです。(写真は台風が来る前の長良川)
 
 
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